「音楽のちから」を届ける活動のきっかけ
心待ちにしていた第一子が誕生したのは、今から約30年前のことでした。
ちょうど桜が満開の頃に生まれる予定だったので「さくら」と名付けました。しかし、私のお腹の中の赤ちゃんは大きな病気を患っており、無事に生まれたものの長い闘病生活が待ち受けていました。 入院と通院を繰り返し、それから約20年。様々な苦難を乗り越え、さくらは元気に成人を迎えること ができました。
それは同時に、病院との「さよなら」でした。
さくらの門出を機に、お世話になった病院の方々への恩返しとして、入院している子どもたちに音楽を届けたいと考えるようになりました。親交のあるアーティスト、音響や楽器の専門スタッフたちが共 感してくれ、2015 年に初めて小児病棟の子どもたちに音楽の贈り物を届けることができました。当時の主治医だったドクターも駆けつけてくれ、入院している子どもたちとご両親に向けてメッセージを送ってくれました。
「さくらは病状の重さから成長は見込めなかったけれど、希望をもって治療を続け、元気に大きくなりました。20年前、さくらは皆さんと同じようにここ(小児病棟)にいました。皆さんも希望をもって乗り越えてください!」何人かのお母様の目から涙がこぼれ落ちました。
「音楽のちから」の原点は、まさにこの瞬間でした。
一般社団法人音楽のちから
代表理事 後藤 真紀
「音楽のちから」を届ける活動について
2015 年の小児病棟でのコンサート開催を皮切りに、10年間で15公演を任意団体として、出演者をはじめ全てのスタッフが奉仕の精神で活動を続けてきました。
ドクターや病院関係者の方々には本プロジェクトの意義を高く評価していただき、定期的に開催してほしい、もっと多くの病院にいる子どもたちに届けてほしい、という声をたくさんいただきました。
アーティストたちの優しい心から紡がれる生の演奏は、子どもたちだけでなく、ご両親や病院関係者の方々の心に温かく響き、そっと寄り添ってくれます。
重い病気や障がいと闘って入院している多くの子どもたちに、「音楽のちから」で闘病生活における癒しと希望、そして病気や障がいに立ち向かう勇気を与えたいという強い思いから、一般社団法人音楽のちからを設立しました。今後、この活動を継続し、広げていきたいと考えています。
